費用便益分析は、投資理論や余剰に関する基礎理論を用いていおり、民間企業の投資評価から発展して、行政における道路、河川、港湾、病院や公園など様々な社会資本整備の投資効率を評価して、その実施の是非を問う指標の一つとして発達してきた。その効果も多種多様であることから様々な方法論が提案されている。また、その方法論は官民を問わず応用できる適用性を持っている。 本講義においては、ミクロ経済モデルを用いた部分均衡理論に基づく一般的な費用・便益の考え方、および、一般均衡理論に基づく波及効果の考え方について解説する。また、各種分析方法の論理的解説を行うとともに、社会資本整備あるいは投資事業の特性に対応してどの様な費用便益分析方法が適用されているかについて解説するとともに、行政経営プロセスにおける適用、実務における限界および課題、合意形成における事業評価の役割、課題構造などについて解説する。また、学生の仕事等における身近な評価と意思決定に関わる演習を通じて、これらの理論体系があらゆる分野で利活用できることを学ぶ。
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