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科目ナンバリングについて
こちらを参照してください。  
講義コード
9834190-1 
授業科目名
経営リスク・マネジメント 
授業科目名(英字)
Risk Management 
時間割
 
対象年次及び学年
1年次 
担当教員
ナンバリングコード・水準
M3 
ナンバリングコード・分野
BSN 
ナンバリングコード・ディプロマ・ ポリシー(DP)
CAB 
ナンバリングコード・提供部局
ナンバリングコード・対象学生
ナンバリングコード・特定プログラムとの対応
ナンバリングコード・授業形態
Lx 
ナンバリングコード・単位数

関連授業科目
特になし 
履修推奨科目
特になし 
学習時間
講義90分 × 15回 + 自学自習(準備学習40時間+事後学習20時間) 
授業の概要
 毎年のように繰り返し発生する企業を巡る大事故や不祥事を見るにつけ、「果たして企業経営は進化しているのだろうか」と疑問を抱かざるを得ません。どうしたらこうした事態を未然に防ぐことができるのか、本講座では企業経営を「リスク」の視点から見直し、対策のあり方を検討していきます。
 科学技術の発展、国際化の進展、法令・規制の変更など、企業を巡る事業環境の変化は絶えず新たなリスクを増大させており、社会の要求水準の高まりと相俟って、リスクへの対応を誤った企業は予想外の損失を被り企業価値も傷つきます。企業間の競争がますます激化し収益基盤が脆弱になる中、一つの経営の失敗が命取りになる可能性も高まっています。こうした厳しくなる一方の経営環境の中で企業のリスク対応はどうあるべきか、この授業では理論・実務の両面からこれからの企業におけるリスクマネジメントの姿を探っていきます。
 具体的には、まず基礎的リスク理論を概観した上で、これまで一般に実践されてきた伝統的なリスクマネジメントや危機管理の手法を習得します。さらに、近時台頭してきた事業リスクマネジメント(Enterprise Risk Management:ERM)の考え方、実践例を学習し、我が国企業の導入状況を検証するとともに、内部統制・BCP( Business Continuity Plan:事業継続計画)などリスクマネジメントに関連して企業実務において要求される課題にも触れていきます。 
授業の目的
企業経営におけるリスク対策の重要性を理解し、そのあり方を検討するとともに、リスクマネジメントを実践する能力を身に付ける。 
到達目標
①伝統的リスクマネジメントの手法を習得し、実践できる。(DPの「A:専門知識・理解」に対応)
②事業リスクマネジメントの考え方を理解し、応用できる。(DPの「B:研究能力・応用力」に対応)
③以上を踏まえて、各組織において時代の変化に的確に対応するリスクマネジメントを提案、実践する能力を獲得できる。(DPの「C:倫理観・社会的責任」に対応) 
成績評価の方法
計4回予定している課題へのレポート(提出状況、内容)、授業への取組み姿勢・討議への参加状況・発表等を加味して評価します。配分は、レポート60%(到達目標①②に対応)、授業への取組み姿勢及び討議・発表等による貢献度40%(到達目標③に対応)を目安とします。 
成績評価の基準
成績の評価は、100点をもって満点とし、秀、優、良及び可を合格とする。各評価基準は次のとおりとする。
 秀(90点以上100点まで)到達目標を極めて高い水準で達成している。
 優(80点以上90点未満)到達目標を高い水準で達成している。
 良(70点以上80点未満)到達目標を標準的な水準で達成している。
 可(60点以上70点未満)到達目標を最低限の水準で達成している。
 不可(60点未満)到達目標を達成していない。
ただし、必要と認める場合は、合格、了及び不合格の評語を用いることができる。その場合の評価基準は次のとおりとする。
 合格又は了 到達目標を達成している。
 不合格  到達目標を達成していない。 
授業計画並びに授業及び学習の方法
本講義は、土曜日3コマずつ5日(およそ2~3週間おき)にわたり開講します(全回対面授業)。授業を効率化するためレジュメを用意しそれに沿って講義を進めますが、できるだけ実例を使用し受講生自ら考える形式を交えるので、討論への積極的な参加を期待します。また、事業リスクマネジメントの実施例、過去の事例の検証については、各人それぞれケースを担当してもらいレポートの作成を課題とするとともに全員で議論します。
 予定しているテーマと取り上げる主な内容は以下の通りです。

1日目:リスク論
 第1回 リスクマネジメントの歴史、リスクの概念
 第2回 リスクの理論、リスク認知
 第3回 メディアのリスク報道、企業経営とリスク
2日目:伝統的リスクマネジメント論
 第4回 企業を巡るリスク事例、伝統的リスクマネジメントとは
 第5回 リスクの特定、リスクの評価、リスクコントロール、リスク対策の選択
 第6回 危機管理
3日目:危機管理(続き)、事業リスクマネジメント(ERM)
 第7回 危機管理(演習)
 第8回 事業リスクマネジメントの意義・特徴、米国におけるERM
 第9回 事業リスクマネジメント体制、我が国における先駆的実践例
4日目:事業リスクマネジメント(続き)、リスクファイナンス
 第10回 事業リスクマネジメント(課題発表・討議)
 第11回 リスクファイナンスとしての損害保険、ART( Alternative Risk Transfer:代替的リスク移転)
 第12回 保険デリバティブ、保険リンク証券、キャプティブ
5日目:最近のリスクマネジメント促進の動きとこれからのリスク
 第13回 過去の事例の検証(課題発表・討議)
 第14回 内部統制、BCP(事業継続計画)、コーポレート・ガバナンス
 第15回 ESG(環境、社会、ガバナンス)の要請、これからのリスク展望

以上の計画は、進捗状況、内容の理解度等によって変更することがあります。

【自学学習へのアドバイス】
自学学習は4回の課題への対応が中心となります。その際、公表されている各種の報告書(有価証券報告書、統合報告書、事件の第三者委員会報告書など)を的確に読み込み、当該企業が自社のリスクをどのように認識し、対応しているかを把握することが重要になります。授業では、こうして集めた各自の担当する企業の事例を他と比較しながら議論を深めますので、その準備として自学学習するよう心掛けて下さい(40時間)。
また、授業後は各回のレジュメ・資料を見直し、授業で取り上げた理論や実践例を所属組織などに落とし込んで考えるようにして下さい。また、企業に関するもののみならず、社会で発生する各種の事故や事件を「リスク」の視点で見ながらリスクマネジメントの重要性を考えて下さい(20時間)。 
教科書・参考書等
特定の教科書は使用しません。各回、レジュメ・資料を用意します。
参考書
仁木一彦『ひとめでわかるリスクマネジメント(第2版)』東洋経済新報社(2012年)1980円(税込)
デロイトトーマツリスクアドバイザー『リスクマネジメント 変化をとらえよ』日経BP社(2022年)2200円(税込) 
オフィスアワー
非常勤のためオフィスアワーはありません。質問等は講義の前後に受け付けるとともに、メールでの交信も活用します(講義初回時にメールアドレスを伝達予定)。 
履修上の注意・担当教員からのメッセージ
リスクマネジメントの考え方は企業だけでなくあらゆる組織にとって必要であり、さらには個人生活にも役立ちます。是非本授業を通じてその知識・手法を習得して下さい。 
参照ホームページ
メールアドレス
教員の実務経験との関連
(担当教員)志田慎太郎
(世話役教員)西中 美和
(授業責任者)中村 正伸