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科目ナンバリングについて
こちらを参照してください。  
講義コード
9833020-1 
授業科目名
組織行動論 
授業科目名(英字)
Organizational Behavior 
時間割
前期前半 火曜日 6校時
前期前半 火曜日 7校時
対象年次及び学年
1年次 
担当教員

吉澤 康代

ナンバリングコード・水準
M2 
ナンバリングコード・分野
BSN 
ナンバリングコード・ディプロマ・ ポリシー(DP)
ABC 
ナンバリングコード・提供部局
ナンバリングコード・対象学生
ナンバリングコード・特定プログラムとの対応
ナンバリングコード・授業形態
Lg 
ナンバリングコード・単位数

関連授業科目
経営管理論、人的資源管理 
履修推奨科目
学習時間
講義90分 × 15回 + 自学自習(準備学習30時間+事後学習30時間) 
授業の概要
【キーワード】コミュニケーション、リーダーシップ、組織風土、組織活性化、組織変革
この授業は、組織における個人の認知や行動と、それに対してどのようなマネジメントや支援が行われているのかについて、理論と実践(ケース)から理解します。組織を運営、マネジメントするには専門知識やスキル(例えば、経済・業界事情、会計、法務、マーケティングなど)が求められますが、それに加えて個人の認知、態度、行動(パーソナリティ、コミュニケーション、コミットメント、リーダーシップなど)を理解し、その集合体となる組織をいかに活性化(組織風土、組織変革、組織開発など)していくのかという視点も重要となります。この授業では、個人、集団、組織が陥りやすい課題に関するケース討議と、組織活性化をテーマにしたグループワークを通じて、個人と組織の成長の関連性について考えます。 
授業の目的
この授業では、組織マネジメントに必要な(1)組織において個人が陥りやすい認知(パーソナリティ、対人関係)、とりやすい行動やスタイル(コミュニケーション、コミットメント、リーダーシップなど)、(2)集団や組織が陥りやすい典型的な問題(集団行動、組織の病理、組織適応など)、(3)個人と組織の成長と開発(キャリア開発、組織風土、組織変革、組織開発など)を理解し、個人と組織の成長に向けた組織活性化施策を提案できる視座・力を身につけることを目的とします。 
到達目標
1.「組織における個人の認知や行動」「組織が陥る課題」について説明できる。(DP「A専門知識・理解」「C倫理観・社会的責任」に対応)
2.「組織活性化」について(1)組織活性化を阻む要因・促進する要因を理解できる。(DP「A専門知識・理解」に対応)
3.「組織活性化」について(2)組織活性化促進策、(3)組織活性化評価(軸、尺度)を提案できる。(DP「B研究能力応用力」に対応) 
成績評価の方法
授業へのコミットメント(事前準備、クラス発言、事後コメントなど積極的姿勢):40%(到達目標1、2に対応)
中間レポート:25%(到達目標1に対応)
期末レポート:35%(到達目標2、3に対応)

※「2/3以上の出席」、「中間レポート」と「期末レポート」両方の提出の全てが満たされていない場合、評価対象になりません。レポートは「締め切り」「字数」が守られていないものは減点となります。課題に適切に応える内容でない場合、論述形式で記述されていないものも減点されます。「引用(参考文献の記載が必要)」ではなく、他の既存文献を複写したものは評価対象になりません。 
成績評価の基準
成績の評価は、100点をもって満点とし、秀、優、良及び可を合格とする。各評価基準は次のとおりとする。
 秀(90点以上100点まで)到達目標を極めて高い水準で達成している。
 優(80点以上90点未満)到達目標を高い水準で達成している。
 良(70点以上80点未満)到達目標を標準的な水準で達成している。
 可(60点以上70点未満)到達目標を最低限の水準で達成している。
 不可(60点未満)到達目標を達成していない。
ただし、必要と認める場合は、合格、了及び不合格の評語を用いることができる。その場合の評価基準は次のとおりとする。
 合格又は了 到達目標を達成している。
 不合格  到達目標を達成していない。 
授業計画並びに授業及び学習の方法
【授業計画】
第1回 ガイダンス(4月16日6限)
「組織行動」「授業内容(全体の構成・概要、評価方法、ケースメソッドなどについて)」について説明します。「皆さんの問題意識」についても共有します。
※ 「組織行動論」を履修される方は第1回に必ず出席してください。
※ 第2回で使用するMBTI質問紙の配布、説明をします。   

Ⅰ部:コミュニケーション、パーソナリティのスタイルを知る(4月23日6・7限)
MBTI(性格タイプテスト)を用いて自分と他者についての理解を深め、よりよい関係性づくりについて考えます。MBTIはユングのタイプ論を基に開発された指標で、心のあり方の多様性を説明し、自己理解、他者理解を深めるためのツールです。円滑なコミュニケーションが機能しない背景や問題について「認知」の点から検討します。
第2回 「パーソナリティスタイル」を知る(MBTIフィードバック)
第3回 「個人と組織にとってのコミュニケーション」

Ⅱ部:組織の病理(4月30日6・7限)
集団や組織がうまく機能しなくなる諸問題とその要因について、ケース「雪印乳業」の討議などを通じて理解を深めます。ケースには、二つの事件(牛乳食中毒事件、牛肉偽装事件)によって倒産寸前にまで追い込まれる同社と、同社の再建に取り組むプロセスが描かれています。集団行動や組織適応について概観します。
第4回 グループ討議
第5回 全体討議 + まとめ「組織の病理」
※ケース「雪印乳業(A)(B)」(\1,100、\990)

Ⅲ部:リーダーシップ(5月7日6・7限)
リーダーの取るべき行動やリーダーシップについて、ケース「“すごい”医療チームを作る―林成之医師の挑戦―」の討議を通じて理解を深めます。このケースには、林医師が発揮した2のタイプのリーダーシップが描かれています。状況や環境によって、どのようなリーダーシップがどのような効果を発揮するのかについて議論します。また、これまでのリーダーシップ研究を概観し、今後どのようなリーダーシップが求められるのかについても議論します。
第6回 グループ討議
第7回 全体討議 + まとめ「リーダーシップ概論とリーダーとしての経験」
※ケース「“すごい”医療チームを作る―林成之医師の挑戦―」(\300ぐらい)

★ 中間レポート(締切:5月14日23:59迄、Moodle経由で提出)
課題:MBTIから学んだことはどのようなことですか。また、これまでのグループ討議を通じて、MBTIフィードバックによる自己理解と他者理解はどのように役立ちましたか。(2000字以内)

Ⅳ部:組織風土と組織活性化(5月14日6・7限)
組織メンバーの態度や行動に影響を与えたり、逆にその態度や行動によって特徴づけられる組織風土について、ケース「セイコーエプソン2018(A)」の討議を通じて理解を深めます。ケースには、セイコーエプソン株式会社の成り立ちから近年M&Aの取り組みが描かれています。セイコーエプソンには、時代を超えてどのような組織風土が貫かれているの、M&Aにおいて組織風土はどのように扱われるとよいのかを議論しつつ、組織が活性化し、成長し続ける要因についても概観します。後半は「組織活性化グループワーク」について「テーマ出し」「グループ分け」を行います。
第8回 グループ討議
第9回 全体討議 + まとめ「組織開発(組織風土、組織活性化)」 + 「組織活性化グループワーク」について
※ケース「セイコーエプソン2018(A)」(\1,221)

特別回 公開講座(予定)(○月○日○限)(予定)
テーマ、講師、場所:未定

Ⅴ部:組織活性化グループワーク(5月21日6・7限)
これまでの授業を総括する意味で、グループに分かれて「組織の活性化」について議論します。「組織活性化」として焦点を当てたいテーマ(領域)について、(1)組織活性化を阻む要因、(2)活性化促進策、(3)活性化の評価(軸、尺度)を議論し、グループ発表の準備を行います。
第10、11回 「組織活性化グループワーク」

Ⅵ部:組織変革と組織開発(5月28日6・7限)
組織変革とリーダーシップについて、ケース「言語とグローバル化: 楽天の『英語化』(A)」の討議を通じて理解を深めます。ケースには、世界一のインターネット・サービス企業を目指す同社が、英語を社内公用語とし、言語と文化の壁を打ち破ろうとする取組が描かれている。組織変革モデル、環境変化の質的変容、組織開発手法についても概観します。
第12回 グループ討議
第13回 全体討議 + まとめ「組織変革と組織開発」
※ケース「言語とグローバル化: 楽天の『英語化』(A)」($4.25)

Ⅶ部:組織活性化グループ発表とまとめ(6月4日6・7限)
組織活性化グループワークの発表を行います。組織の成長段階モデル、個人の発達課題を概観し、組織と個人の成長の非同期性を理解し、将来のリーダーとして求められる経験について検討します。
第14、15回 組織活性化グループ発表 + まとめ

★ 期末レポート:「締め切り」「課題」は後日Moodleにてお知らせします。

■以上の授業計画(使用するケースなど)は、履修者(人数、関心テーマ)や進捗状況、内容の理解度などによって変更する可能性があります。
■「公開講座」はゲスト講師の都合によってテーマや実施する日程を決めます。オンラインでの実施、あるいは中止する可能性があります。
■「授業資料の配付」「ケースの事前設問の提出」「授業後コメント」「レポートの提出」などに「香川大学moodle」を活用します。


【準備学習及び事後学習のためのアドバイス】
第1回~3回(8時間)
MBTI質問紙を回答して授業にのぞむ。
MBTIフィードバックや組織において個人が陥りやすい認知や行動スタイルについて理解したことを実際の職場や組織に落とし込んで、自分と他者(組織)のコミュニケーション課題を考察する。

第4~5回(8時間)
事前にケースを読み、事前課題を提出して授業にのぞむ。
「組織の病理」について理解したことが、実際の職場や組織で起きていないか、未然に防ぐために個人として、組織としてどのような取り組みが可能かについて考察する。 

第6~7回(8時間)
事前にケースを読み、事前課題を提出して授業にのぞむ。
リーダーとして取るべき行動について、実際の職場や組織を念頭に、自分が目指すリーダーシップ、リーダー像について考察する。

第8~9回(8時間)
事前にケースを読み、事前課題を提出して授業にのぞむ。
実際の職場や組織ではどのような組織風土が醸成・共有されているのか、その組織風土がもたらす効果(プラス面、マイナス面)を考察する。

第11~12回(8時間)
「組織活性化」として焦点を当てたいテーマについて文献・事例調査をして授業にのぞむ。
グループワークで議論されたことをベースに、更に文献・事例調査を行い、コンセプトや施策案などを検討する。

第13~14回(8時間)
事前にケースを読み、事前課題を提出して授業にのぞむ。
組織変革や組織開発について理解したことを、「組織活性化」グループワークに反映させながらグループ発表の準備に結びつける。

第15回(12時間)
グループ発表の準備をして授業にのぞむ。
グループ発表及び質疑応答、全体討議やまとめで理解したことを、期末レポートに反映できるように考えを整理する。 
教科書・参考書等
教科書は特に指定しませんが、参考書は以下の通りです。

スティーブン P.ロビンス(2009)『組織行動のマネジメント』ダイヤモンド社 3,080円
スティーブン P.ロビンス他(2014)『マネジメント入門』ダイヤモンド社 3,080円
入山 章栄(2019)『世界標準の経営理論』 ダイヤモンド社 3,190円 
オフィスアワー
授業後1時間(南3号館2階)
※事前にご連絡頂ければ、適宜対応いたします。 
履修上の注意・担当教員からのメッセージ
◆本授業の方法と授業進行のお願い
(1)本授業はグループ討議、クラス討議、ディスカッションを中心に進行します。よって「対面授業」を基本とします。
(2)様々な状況によって「オンライン」での受講を認める場合がありますが、対面で参加される方と遠隔で参加される方との双方向のやり取りに困難さが生じることをご了承ください。

◆本授業では「集団的機密保持契約」をお願いします。
(1)本授業のディスカッション、ペアワーク、グループワークでは、個人的な経験や意見、所属先での経験などを共有します。学生の皆さんが安心して議論できるよう心理的安全の確保から、授業で共有した意見・経験は、授業の中だけにとどめる「集団的機密保持契約」をお願いします。
(2)したがって、本授業をオンラインで実施する場合、授業内容は録画しません。また、個人的に録音・録画等すること、SNS等で共有・拡散することも禁じます。

◆「ケース」について
(1)「ケース」は初回にお渡しします。一部300~1,200円強ですが、価格変更の可能性があります。本授業で使用するケースは以下から購入(学術価格)及び複写利用許可を得て入手しています。
  ○日本ケースセンター( https://casecenter.jp/
  ○慶應義塾大学 ビジネス・スクール (https://www.bookpark.ne.jp/kbs/
  ○Harvard Business Publishing Education (https://hbsp.harvard.edu/educator/)
(2)「ケース」はA4で15頁程度です。事前に「設問」を出しますので、ケースを読み、「設問」について考えをまとめ、Moodle経由で提出して授業に参加してください。
(3)「ケース」は読んで学ぶものではありません。ケースの登場人物の立場に立ち、ケースに描かれる状況を分析し、意思決定を検討するためのものです。事前に準備してきたご自身の考えをグループやクラスで共有することで、その考えを更に深化、昇華させることをねらいとしています。

◆Moodleの活用について
「授業資料の配付」「ケースの事前設問の提出」「授業後コメント」「レポートの提出」などに「香川大学moodle」を活用します。 
参照ホームページ
メールアドレス
yoshizawa.yasuyo@kagawa-u.ac.jp 
教員の実務経験との関連
民間シンクタンク、大学研究機関にて研究員として勤務した経験があります。国内外の働き方の調査研究、企業の組織風土調査、キャリア研修等に携わった実務経験をもとに「組織行動論」「人的資源管理論」等を担当します。