シラバス参照

科目ナンバリングについて
こちらを参照してください。  
講義コード
9831050-1 
授業科目名
定性的研究方法論 
授業科目名(英字)
Qualitative Research Methodology 
時間割
後期 木曜日 7校時 -
対象年次及び学年
1年次 
担当教員

板谷 和彦

ナンバリングコード・水準
M2 
ナンバリングコード・分野
ANM 
ナンバリングコード・ディプロマ・ ポリシー(DP)
ABX 
ナンバリングコード・提供部局
ナンバリングコード・対象学生
ナンバリングコード・特定プログラムとの対応
ナンバリングコード・授業形態
Lx 
ナンバリングコード・単位数

関連授業科目
統計分析 
履修推奨科目
特になし 
学習時間
対面形式にて、講義90分×15回+自学自習(準備学習 30時間 + 事後学習 30時間) 
授業の概要
本講義では、社会的フィールドや様々な行動の背後に隠れた「意味」に着目し、これを再構成・理論化するのに有効な定性的研究方法論について学びます。
定性的研究の定義と目的、量的研究との比較、および方法論としてのプロセスを解説した上で、実践で活用できるように演習も進めていきます。具体的にはグラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)を中心に講義と演習を進めていきます。 
授業の目的
社会的フィールドを対象とする際にはナラティブ(語り)など数量化が困難なデータに遭遇することがあり、定性的方法論が必要となります。本講義の目的は、定性的研究方法論のバックボーンとなる理論を理解した上で、方法論としての各ステップを正しく理解し(A)、実際に受講者自身が対峙する地域の課題やケースにおいて分析・報告を円滑に行える実践力を身に着けることにあります(B)。 
到達目標
1.定性的研究方法論とプロセスを正しく理解することができる(DPにおける専門知識・理解)。
2.地域の現場において想定される様々な課題に対して、定性的方法を駆使して事実発見や解決策を導く応用力を身につけることができる(DPにおける専門知識・理解と研究能力・応用力)。
3.プロジェクト演習、プロジェクト研究における方法論として活用し、望ましい分析や考察ができる(DPにおける研究能力・応用力)。 
成績評価の方法
評価についての配点は、講義への取り組み姿勢(演習課題の提出など)が50%、レポート課題を50%とする。 
成績評価の基準
成績の評価は、100点をもって満点とし、秀、優、良及び可を合格とする。各評価基準は次のとおりとする。
 秀(90点以上100点まで)到達目標を極めて高い水準で達成している。
 優(80点以上90点未満)到達目標を高い水準で達成している。
 良(70点以上80点未満)到達目標を標準的な水準で達成している。
 可(60点以上70点未満)到達目標を最低限の水準で達成している。
 不可(60点未満)到達目標を達成していない。
ただし、必要と認める場合は、合格、了及び不合格の評語を用いることができる。その場合の評価基準は次のとおりとする。
 合格又は了 到達目標を達成している。
 不合格  到達目標を達成していない。 
授業計画並びに授業及び学習の方法
授業の方法:基本対面での講義を主体とします。方法の習得には自分で試行錯誤することが必須と考えるので、積極的に演習を取り入れていきます。提出された演習課題に対しては、丁寧に赤字で修正とコメントを加えて返却しますので、必ずその結果を確認し、次のステップへのフィードバックとして下さい。
また教員と学生がインタラクティブなコミュニケーションをはかれるよう、質問や意見・コメントが積極的に出るような講義進行に種々工夫します。

授業計画:授業の基本計画は以下としますが、履修者(人数、志向する関心・テーマ)や進捗状況などによって変更する可能性があります。

第1回.ガイダンス「定性的研究方法論」とは何か、本講義で何を学ぶのか
第2回.基礎となるプロセスと理論(グラウンデッド・セオリー・アプローチとは)
第3回.フィールドへの参入・サンプリングの方法
第4回.半構造化インタビュー(理論)
第5回.半構造化インタビュー(演習)
第6回.ナラティブとしてのデータの扱い(テキスト起こし)
第7回.コード化とカテゴリー化(理論)
第8回.コード化とカテゴリー化(演習)
第9回.コード化とカテゴリー化(演習の続き)及びシーケンス分析
第10回.トライアンギュレーション
第11回.参与観察とエスノグラフィー
第12回.修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)
第13回.プロジェクト研究に見るGTAとM-GTA
第14回.報告書・論文への統合
第15回.全体まとめと振り返り・アンケート

自学自習に関するアドバイスとしては、講義の翌日にMoodleに講義資料を掲載するようにしますので、それを見て復習するようにして下さい。返却した演習課題に対しても教員による修正、コメントを確認して理解を深めてください。次の講義のイシューも予告するので、関連する事柄に関して調べるようにして下さい。具体的には以下を参考にして下さい。

第2回~第3回.参考図書とMoodleの該当する講義資料に目を通して方法論全体の理解を深める(準備と事後で各回2時間ずつを目安)。
第4回~第5回.インタビュー実習の準備を実施する(準備と事後で各回2時間ずつを目安)。
第6回~第9回.インタビューの結果に対して各回ごとに設定される課題に取り組む。赤字添削に良く目を通して実施すること(事後として3時間程度を確保して臨むこと)。
第10回~第11回.参考図書とMoodleの該当する講義資料に目を通して扱うイシューの理解を深める(準備と事後で各回2時間ずつを目安)。
第12回~第13回.Moodleの該当する講義資料と資料に目を通して方法論の違いを理解する(準備と事後で各回2時間ずつを目安)。
第14回~第15回.これまでの講義内容を振り返りながら理論化のプロセスの理解を深める(準備と事後で各回2時間ずつを目安)。 
教科書・参考書等
参考図書として以下を提示します。
「質的研究入門-人間の科学のための方法論―」ウヴェ フリック、小田博志他訳、春秋社
「実践フィールドワーク入門」佐藤 郁哉、有斐閣
「実践グラウンデッド・セオリー・アプローチ」戈木クレイグヒル、新曜社
「定本 M-GTA 実践の理論化をめざす質的研究方法論」木下康仁 医学書院 
オフィスアワー
希望者は随時メールか講義時に連絡ください。基本、講義日の講義前後で設定します。
プロジェクト演習・プロジェクト研究実施時の方法論の指導も随時対応しますので連絡ください。 
履修上の注意・担当教員からのメッセージ
アプローチを正しく理解して適用すれば、定性的方法は様々な課題や事象に適用できる有効な方法です。本講義では方法論として背景となる理論や方法としてのプロセスを体系的に学ぶこととします。
プロジェクト研究でも定性的方法を採用するケースがここ数年多くなり、説得力のある考察や結論を導く例が増えています。プロジェクト研究を進める際の頼りになる方法として、履修・受講し、活用していただければと思います。 
参照ホームページ
https://itaya-labo-kagawa-u.org/ 
メールアドレス
itaya.kazuhiko@kagawa-u.ac.jp 
教員の実務経験との関連
技術系企業の研究所で工学研究者として研究と管理に従事した経験があります。