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科目ナンバリングについて
こちらを参照してください。  
講義コード
9831010-1 
授業科目名
統計分析 
授業科目名(英字)
Statistical Analysis 
時間割
後期 月曜日 6校時
対象年次及び学年
1年次 
担当教員

島根 哲哉

ナンバリングコード・水準
M2 
ナンバリングコード・分野
ANM 
ナンバリングコード・ディプロマ・ ポリシー(DP)
ABX 
ナンバリングコード・提供部局
ナンバリングコード・対象学生
ナンバリングコード・特定プログラムとの対応
ナンバリングコード・授業形態
Lx 
ナンバリングコード・単位数

関連授業科目
経済分析,都市・環境政策の経済評価,地域経済分析,マーケティングリサーチ,プロジェクト研究 
履修推奨科目
MBAのための数学セミナー 
学習時間
講義90分 × 15回 + 自学自習(準備学習 30時間 + 事後学習 30時間) 
授業の概要
今日,政策決定の場においても,企業経営の場においても事実に基づいた判断が求められます.これは,決定の合理性を他者に示すためであり,また経験や直感のみによる判断では見誤ってしまう事実を錯誤なく正確に把握するためです.統計分析は,集めたデータから事実を見つけ出し,合理的に判断をするための有力な手段と言えます.

また,近年のテクノロジーの発展と社会的関心の高まりの結果,手軽に利用できるデータや計算資源の充実は目覚ましいものがあり,かつては専門家を除いて技術的にも制度的にも利用が難しいデータの分析を,誰もが身近な環境で試すことができるようになりました.
今日求められているのは必要なデータと適切な分析方法を選び取り,その分析結果を対象の文脈に沿って解釈し,政策の成果や市場の実態についてより広く正確な視点を持つ能力と言えます.

この講義では,統計学の基礎的な考え方を紹介し,これに基づいたいくつかの統計分析の手法を学びます.履修者自身がデータを使って統計分析に取り組むことで,実践的に結果を得る能力を養うとともに,その分析結果の吟味を適切に行うために必要な理解の定着を演習や課題を通じて図ります. 
授業の目的
データに基づく統計的な分析を身につけることは,業務上の問題を分析するスキルとなることに加え,プロジェクト研究で定量的に問題にに取り組む際に有効な助けとなります.この授業では以下を目的とします.
1. 統計学の基本的な考え方を身につけ,分析の目的や利用するデータの形式に応じた分析手法を選び取ることができるようになる.
2. 学生自身がアプリケーションソフトでデータを分析して,結果を適切に解釈することができるようになる. 
到達目標
1. 仮説検定の考え方を説明し,結果から適切に統計的判断ができるようになる.(DPの「専門知識・理解」に対応)
2. 目的に合わせて適切な分析手法を選ぶことができるようになる.(DPの「研究能力・応用力」に対応)
3. アプリケーションソフトを用いて統計分析を実行し,適切に結果を解釈できる.(DPの「研究能力・応用力」に対応) 
成績評価の方法
「小テストと宿題」(50%)および「確認テスト」(50%)に基づいて成績を評価します.さらに授業への取り組み姿勢を評価に加点する材料とします. 
成績評価の基準
成績の評価は、100点をもって満点とし、秀、優、良及び可を合格とする。各評価基準は次のとおりとする。
 秀(90点以上100点まで)到達目標を極めて高い水準で達成している。
 優(80点以上90点未満)到達目標を高い水準で達成している。
 良(70点以上80点未満)到達目標を標準的な水準で達成している。
 可(60点以上70点未満)到達目標を最低限の水準で達成している。
 不可(60点未満)到達目標を達成していない。
ただし、必要と認める場合は、合格、了及び不合格の評語を用いることができる。その場合の評価基準は次のとおりとする。
 合格又は了 到達目標を達成している。
 不合格  到達目標を達成していない。 
授業計画並びに授業及び学習の方法
【授業計画】
I 準備
1. ガイダンス,アプリケーションソフトの基本操作

II データの記述・データの比較
2. データの整理・度数分布表・ヒストグラム・様々なグラフ
3. 代表値,散らばりの尺度
4. 因果関係
5. 公開データの利用

III 標本調査
6. 母集団と標本,標本抽出
7. 推定の考え方

IV 二次元のデータ
8. 分割表と変数の独立性
9. 散布図と線形回帰
10. 回帰分析と因果関係

V 確率と不確実性
11. 確率論の基礎
12. 仮説検定の考え方
13. 不確実性を伴う線形回帰モデル(1)
14. 不確実性を伴う線形回帰モデル(2)

15. 確認テストとまとめ

【授業および学習の方法】
講義では,スライドと配布資料を用いて分析手法の目的や考え方の説明を教室で行います.また用意したデータをアプリケーションソフト(SPSS)で分析する演習や課題を各自のPCで行います.そのためのPCを各自持参してください.演習や課題の結果を議論することで実践的な理解を深めます.

授業計画は,進捗状況,内容の理解度等によって変更することがあります.

この科目は全回対面授業を行います。なお状況によっては全てまたは一部の授業回の授業形態を遠隔へ変更する可能性があります。

【自学自習のためのアドバイス】
講義で取り上げる内容に関連する参考書を以下に示します.これらを参考に予習・復習に取り組んでください.各回の予習・復習と課題のために1時間から3時間が必要と考えます..

第2回-第5回:参考書1(2章,3.3),参考書2(3-4章),参考書3(1.1-2)
第6回-第7回:参考書1(3.4),参考書2(5-6章),参考書3(1.3)
第8回-第10回:参考書1(3.6, 4章),参考書2(7-8章),参考書3(2.4, 10.1-2)
第11回-第14回:参考書1(6-7章),参考書2(9-10章),参考書3(4-6章, 8-9章,10.3) 
教科書・参考書等
[教科書] なし

[参考書:授業に関連の深い図書]
1. 今井耕介(2018)『社会科学のためのデータ分析入門 上・下』岩波書店,2,600円・2,700円.
2. 岸学『SPSSによるやさしい統計学 第2版』オーム社,2,400円.
3. 大谷幸輔(2020)『コア・テキスト 統計学 第3版』新世社,2,150円.

[参考書:統計学の基本的な考えた方と手法]
4. 佐々木彈(2019)『算数からはじめて一生使える確率・統計』河出書房新社,1,700円.
5. A. Vickers(2013)『p値とは何か:統計を少しずつ理解する34章』丸善出版,2,800円.

[参考書: より発展的な分析手法]
6. 田中隆一(2015)『計量経済学の第一歩:実証分析のススメ』有斐閣,2,000円.
7. 山本拓・竹内明香(2013)『入門計量経済学:Excelによる実証分析へのガイド』新世社,2,500円.

[参考書: アプリケーションソフトを利用した教科書]
8. 秋光淳生(2016)『データの分析と知識発見』放送大学教育振興会,2,900円.
9. 秋川卓也(2007)『新装版 文系のためのSPSS超入門』プレアデス出版,1,600円.

1は社会科学向けのデータ分析の教科書,2はSPSSを用いた統計学の教科書です.本講義はこの2点を参考に構成します.1ではフリーの統計ソフトRをもちいて確率論の議論を前提としないでデータ分析の理解を図っています.2はSPSSの結果を例に説明を進めています.
3は,標準的な統計学の教科書です.大学初級程度の数学を使った表記もあります.

4は,数学的表現を極力抑えた統計学の入門書です.これまで統計学を学習した経験がない方,数学に苦手意識のある方は履修前に一読を進めます.
5も,数学的表現を抑えた統計学の参考書ですが,これまでに統計学を学んだ経験のある方が読まれても面白い本です.

6は,計量経済学で利用される基礎的な手法から進んだ方法まで,実証分析という観点から簡潔にわかりやすく紹介します.とても良い演習用のデータセットが利用できます.
7も計量経済学の基礎的な手法を,Excelによる例を用いて実証分析向けに説明しています.

8, 9, 10は,アプリケーションソフトでの実習結果とともに統計分析を紹介しています.
8はフリーウェアの統計ソフトRを使ってより広範な統計モデルの利用を紹介しています.
9はSPSSの利用法を,分析方法の簡単な紹介とともに紹介したテキストです.

このほかの参考書,文献は随時授業の中で紹介します. 
オフィスアワー
授業後30分
島根研究室:南4号館3階 e-mail: shimane.tetsuya@kagawa-u.ac.jp 
履修上の注意・担当教員からのメッセージ
第1回授業では,演習で利用するアプリケーションソフト(SPSS)の起動の確認を行います.必要な準備をしたPCを持参してください. 
参照ホームページ
メールアドレス
shimane.tetsuya@kagawa-u.ac.jp 
教員の実務経験との関連